胡蝶蘭のフザリウム菌対策|症状から予防、復活まで解説

胡蝶蘭のフザリウム菌対策|症状から予防、復活まで解説 胡蝶蘭の知識

こんにちは、管理人の胡蝶です

美しい胡蝶蘭が、ある日突然元気をなくしてしまうことがあります。

その原因の一つに、非常に厄介な病気である胡蝶蘭のフザリウム菌の存在が考えられます。

この病気はカビの一種が引き起こし、一度感染すると株全体に広がり、最悪の場合は枯れてしまう恐ろしいものです。

葉が黄色くなる、根が傷むといった症状が見られたとき、それは単なる根腐れではないかもしれません。

この記事では、胡蝶蘭のフザリウム菌に悩む方、あるいはその予防に関心がある方のために、その症状の詳しい見分け方から、発生してしまう根本的な原因、そして具体的な対策までを網羅的に解説していきます。

推奨される薬の紹介や、感染してしまった株を復活させるための植え替え方法、さらには再発を防ぐための予防策まで、あなたが知りたい情報を詰め込みました。

大切な胡蝶蘭を守るための知識を身につけ、健やかな成長をサポートしましょう。

◆このサイトでわかる事◆

  • 胡蝶蘭のフザリウム菌の基本的な知識
  • フザリウム菌による具体的な症状と見分け方
  • 病気の発生原因と感染経路
  • 根腐れなど他の病気との明確な違い
  • 感染が疑われる場合の初期対応
  • 効果的な薬剤と正しい使い方
  • 感染株を復活させるための植え替えと日々の予防策
【PR】【お祝い選びに、もう迷わない!金賞受賞の胡蝶蘭で最高の想いを届ける】
大切な方への開店祝いや昇進祝い、記念日の贈り物。

ありきたりなギフトでは、あなたの「おめでとう」の気持ちは伝わりきらないかもしれません。「らんのお花屋さん・クマサキ洋ラン農園」は、数々の賞を受賞した専門農園です。

ハウスから直送される新鮮で高品質な胡蝶蘭は、その美しさと花持ちの良さが自慢。 法人様向けの豪華な5本立てから、個人のお祝いに最適な可憐な一鉢まで、ご用途に合わせて選べます。ラッピング、メッセージカードなど7つの無料サービスも充実。

7つの無料サービス
・ラッピング
・メッセージカード
・写真送付サービス
・育て方パンフレット
・鉢受けトレイ
・霧吹きスプレー
・品質保証書

特別な日の贈り物は、専門店の胡蝶蘭で、あなたの真心を最高のかたちで届けませんか?
創業40年以上の実績実力の洋蘭店!

胡蝶蘭のフザリウム菌が原因で起こる症状と見分け方

◆この章のポイント◆

  • カビの一種であるフザリウム菌の発生原因
  • 葉が黄色く変色するなどの初期症状
  • 根腐れや他の病気との違い
  • 株に広がる主な感染経路
  • 症状を見つけた際の初期対応

カビの一種であるフザリウム菌の発生原因

胡蝶蘭のフザリウム菌は、正式には「フザリウム菌核病」と呼ばれる病気で、土壌中に常在する糸状菌(カビ)の一種が原因となって引き起こされます。

この菌は本来、どこにでも存在するありふれた菌であり、健康な胡蝶蘭には大きな影響を与えないことも少なくありません。

しかし、特定の環境条件がそろうと爆発的に増殖し、胡蝶蘭に深刻なダメージを与える病原菌へと変貌するのです。

その最大の発生原因は、高温多湿な環境にあります。

特に、気温が25度から30度程度の範囲で、湿度が高い状態が続くとフザリウム菌は最も活発に活動を始めます。

日本の梅雨時期や夏場は、まさにこの菌にとって理想的な環境と言えるでしょう。

これに加えて、風通しの悪さが大きく関わってきます。

空気が滞留する場所に鉢を置いていると、株の周囲の湿度が下がらず、菌が繁殖しやすい微気候が作り出されてしまいます。

また、不適切な水やりも主要な原因の一つです。

胡蝶蘭は乾燥に比較的強い植物であり、鉢の中の植え込み材が常に湿っている状態を嫌います。

過剰な水やりは根を弱らせ、根腐れを誘発し、傷んだ組織からフザリウム菌が侵入する絶好の機会を与えてしまうのです。

植え込み材の劣化も無視できません。

水苔やバークなどの有機質の植え込み材は時間と共に分解され、水はけや通気性が悪化します。

古い植え込み材は菌の温床となりやすいため、定期的な植え替えを怠ることも、フザリウム菌の発生リスクを高める要因となります。

葉が黄色く変色するなどの初期症状

胡蝶蘭のフザリウム菌に感染した場合、そのサインは比較的わかりやすい形で現れることが多いです。

最も特徴的な初期症状は、株の下の方の葉、つまり古い葉から黄色く変色し始めることです。

この黄変は、葉の一部からまだらに始まるのではなく、葉の付け根あたりから全体が均一に黄色くなっていく傾向があります。

そして、一枚の葉が完全に黄色くなると、次にその一つ上の葉が同じように変色を始め、徐々に上に向かって進行していくのが大きな特徴です。

これは、菌が根や株元から侵入し、維管束(水分や養分を運ぶ管)を詰まらせることで、下葉から順に栄養が届かなくなるために起こる現象です。

そのため、水をしっかり与えているにもかかわらず、葉にハリがなくなり、ぐったりと垂れ下がってくるといった症状も同時に見られるようになります。

病気が進行すると、葉だけでなく株元にも異常が現れます。

株の根元に近い部分の茎(偽鱗茎)が、やや黒っぽく変色したり、触ると少し柔らかく感じられたりすることがあります。

さらに症状が進むと、葉は黄色から褐色へと変わり、最後にはポロリと簡単に抜け落ちてしまいます。

この段階に至ると、株の内部では菌の繁殖がかなり進んでいる可能性が高いと考えられます。

初期の段階でこれらのサインを見逃さず、早期に対処することが、大切な胡蝶蘭を救うための鍵となるでしょう。

根腐れや他の病気との違い

胡蝶蘭の葉が黄色くなる症状は、フザリウム菌だけでなく、根腐れや他の病気、あるいは生理障害でも起こるため、正確な見分けが重要です。

特に、最も混同しやすいのが「根腐れ」です。

根腐れは水のやりすぎや植え込み材の劣化により、根が酸欠状態になって文字通り腐ってしまう現象です。

根腐れの場合も葉が黄色くなりますが、フザリウム菌のように下葉から順番に、という規則性はあまりなく、複数の葉が同時に黄色くなったり、葉の先端から枯れこんできたりすることが多いです。

決定的な違いは根の状態を直接確認することで分かります。

鉢から株を抜いてみたとき、根が黒く変色し、ブヨブヨと柔らかくなっていたり、スカスカになっていたりすれば、それは根腐れです。

一方で、フザリウム菌の初期段階では、根自体には大きな異常が見られないこともあります。

以下に、代表的な病気との違いを表にまとめます。

病名原因主な症状特徴的な違い
胡蝶蘭のフザリウム菌カビ(糸状菌)下葉から順に均一に黄変し、上に進行する。株元が変色することもある。規則正しい黄変の進行。維管束が侵されるため、水やりしても回復しない。
根腐れ過湿・酸欠葉が不規則に黄変・落葉。株全体に元気がない。根が黒くブヨブヨになる。植え込み材から異臭がすることもある。
軟腐病(なんぷびょう)細菌葉に淡褐色の水浸状の斑点ができ、急激に拡大。悪臭を放ちドロドロに溶ける。進行が非常に速く、異臭を伴うのが最大の特徴。
炭疽病(たんそびょう)カビ(糸状菌)葉に円形〜楕円形の黒い斑点ができ、ややへこむ。斑点上に小黒点ができる。葉が黄色くなるのではなく、黒い斑点が主症状。進行は比較的遅い。
胡蝶蘭の主な病気とその違い

このように、症状の現れ方や進行速度、臭いの有無などを注意深く観察することで、胡蝶蘭のフザリウム菌と他の病気とを見分けることが可能です。

株に広がる主な感染経路

胡蝶蘭のフザリウム菌がどのようにして大切な株に侵入し、広がっていくのかを知ることは、効果的な予防策を講じる上で非常に重要です。

主な感染経路は、大きく分けて「根からの侵入」と「傷口からの侵入」の二つです。

最も一般的なのは、根、特に根の先端や植え替えなどで生じた微細な傷からの侵入です。

フザリウム菌は土壌中に生息する菌であるため、植え込み材の中に潜んでいることが少なくありません。

水のやりすぎで根が弱っていたり、植え込み材が古くなり環境が悪化したりすると、菌が根の組織内にやすやすと侵入してしまいます。

一度根に侵入した菌は、植物の生命線である維管束を通って株元へと到達し、そこから株全体へと広がっていきます。

もう一つの主要な経路は、植え替えや株分け、葉を切るなどの作業時にできた傷口からの直接的な侵入です。

特に、殺菌処理を施していないハサミやピンセットなどの器具を使い回すことは、非常に危険な行為と言えます。

もし、一つの感染株に使用した器具を、そのまま健康な株に使用してしまえば、人の手によって意図せず病気を広めてしまうことになるからです。

また、水のやり方にも注意が必要です。

上からシャワーのように水をかけると、鉢土の表面にいた菌が水滴と共にはね返り、葉や茎の傷口に付着して感染する可能性があります。

複数の鉢を密集させて管理している場合、一つの鉢で発生した菌が、はねた水や、鉢底から流れ出た水が他の鉢に触れることで、次々と感染が拡大していくケースも考えられます。

これらの感染経路を理解し、それぞれのリスクを減らす行動を心がけることが大切です。

症状を見つけた際の初期対応

もし、あなたの胡蝶蘭にフザリウム菌が疑われる症状を発見した場合、迅速かつ適切な初期対応がその後の明暗を分けます。

パニックにならず、落ち着いて以下の手順で対処を進めてください。

まず、最初に行うべきことは、感染が疑われる株を他の健康な植物から直ちに隔離することです。

これは、病気の蔓延を防ぐための最も基本的で重要なステップです。

可能であれば、別の部屋に移動させるのが理想的です。

次に、症状が出ている部分を注意深く観察し、本当にフザリウム菌の症状と一致するかを再確認します。

下葉から順に黄色くなっているか、株元に変色はないかなどをチェックしましょう。

症状が確認できたら、ためらわずに黄色くなった葉を取り除きます。

この時、葉を無理に引っ張るのではなく、清潔なハサミで付け根から切り取ってください。

使用したハサミは、作業後すぐに火で炙るか、アルコールや殺菌剤で徹底的に消毒し、他の株には絶対に使用しないようにします。

続いて、株の状態をより詳しく把握するために、一度鉢から優しく抜いて根の状態を確認することをお勧めします。

フザリウム菌の感染が疑われる場合でも、同時に根腐れが進行していることも多いためです。

黒く変色して腐っている根があれば、これも消毒したハサミで全て切り落とします。

この初期対応を行った上で、次のステップである薬剤治療や植え替えに進むことになります。

初期段階であれば、感染部の除去と環境の改善だけで回復することもありますが、多くの場合、薬剤の力を借りる必要が出てきます。

早期発見と迅速な初期対応が、大切な胡蝶蘭を救うための第一歩となることを覚えておいてください。

【PR】創業40年以上の実績実力の洋蘭店!

胡蝶蘭のフザリウム菌への効果的な対策と予防法

◆この章のポイント◆

  • 症状の進行を抑えるための対策
  • ベンレートなど推奨される薬の種類
  • 感染株の植え替えによる復活方法
  • 処分する際の注意点
  • 日常管理でできる簡単な予防とは
  • 大切な胡蝶蘭のフザリウム菌と向き合い守る知識

症状の進行を抑えるための対策

胡蝶蘭のフザリウム菌の感染を確認し、初期対応を終えたら、次に病気の進行を食い止め、株の回復を促すための本格的な対策を講じる必要があります。

これらの対策は、環境改善と物理的な処置を組み合わせることで、より高い効果を発揮します。

まず最も重要なのが、菌の活動を鈍らせるための環境改善です。

フザリウム菌は高温多湿を好むため、株の置き場所をできるだけ涼しく、風通しの良い場所へ移動させます。

サーキュレーターなどを利用して、株の周りの空気を常に動かしてあげるのも非常に有効な手段です。

次に、水やりを徹底的に管理します。

病気の治療中は、特に乾燥気味に管理することを心がけてください。

植え込み材の表面が乾いてからさらに数日待ち、鉢の中までしっかりと乾いたことを確認してから水を与えるようにします。

水の与えすぎは、弱った根に追い打ちをかけ、菌の活動を助長するだけなので、絶対に避けるべきです。

また、この期間中は肥料を与えるのを完全にストップします。

病気にかかっている植物に肥料を与えると、かえって株を弱らせてしまう可能性があるからです。

物理的な処置としては、感染が確認された葉や根をためらわずに切除することが挙げられます。

病変部を株に残しておくと、そこが新たな菌の発生源となり、病気の進行を早めてしまいます。

切除に使うハサミは、一回切るごとに炎で炙るか、消毒液で拭くなどして、常に清潔な状態を保つように徹底してください。

これらの対策は、後述する薬剤治療と並行して行うことで、相乗効果が期待できます。

菌の勢いを抑え、胡蝶蘭自身の回復力を引き出すための土台作りと捉え、丁寧に行いましょう。

ベンレートなど推奨される薬の種類

胡蝶蘭のフザリウム菌に対しては、環境改善や物理的処置だけでは根絶が難しい場合が多く、適切な殺菌剤を使用することが効果的な治療法となります。

ただし、どんな農薬でも効くわけではなく、フザリウム菌に効果が認められている薬剤を選択する必要があります。

園芸店やホームセンターで入手可能な代表的な薬剤には、以下のようなものがあります。

薬剤名(商品名)有効成分系統特徴と使い方
ベンレート水和剤ベノミルベンズイミダゾール系予防と治療の両方の効果を持つ浸透移行性の殺菌剤。フザリウム菌に対し高い効果が期待できる。規定の倍率に希釈し、株元への灌注や株全体の散布に使用。
トップジンM水和剤チオファネートメチルベンズイミダゾール系ベンレートと同様に、浸透移行性で予防・治療効果がある。作用する仕組みがベンレートと似ているため、耐性菌の出現を防ぐには他の系統とのローテーションが望ましい。
ダコニール1000TPN有機塩素系幅広い病気に効果がある保護殺菌剤。病原菌の侵入を防ぐ予防効果が主。治療効果は限定的だが、他の薬剤と組み合わせて使うことで効果を高める。
オーソサイド水和剤80キャプタンフタルイミド系予防効果が主体の保護殺菌剤。フザリウム菌を含む多くの糸状菌に有効。植え替え時の根の消毒などにも使われる。
胡蝶蘭のフザリウム菌に有効な薬剤の例

これらの薬剤を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。

第一に、必ずパッケージに記載されている使用方法、特に希釈倍率を厳守することです。

濃すぎると薬害が出て株を傷める原因となり、薄すぎると十分な効果が得られません。

第二に、同じ系統の薬剤を連続して使用すると、病原菌がその薬剤に対する耐性を持ってしまう「耐性菌」が出現する可能性があります。

そのため、作用性の異なる系統の薬剤(例えば、ベンレートを使った次はダコニールを使うなど)を、順番に使用する「ローテーション散布」を心がけることが重要です。

第三に、薬剤散布は風のない晴れた日の午前中に行い、マスクや手袋、保護メガネを着用するなど、自身の安全にも十分に配慮してください。

薬剤はあくまで最終手段ですが、正しく使えばこれほど心強い味方はありません。

感染株の植え替えによる復活方法

胡蝶蘭のフザリウム菌に感染してしまった株を復活させるためには、薬剤治療と並行して、植え替えを行うことが非常に効果的です。

植え替えの目的は、菌の温床となっている古い植え込み材を全て除去し、清潔な環境で株の再スタートを切らせることにあります。

以下に、治療を目的とした植え替えの手順を具体的に示します。

  • 準備:新しい鉢(素焼き鉢が望ましい)、新しい植え込み材(水苔やバーク)、消毒済みのハサミ、殺菌剤(ベンレートなど)を用意します。鉢は新品を使用するか、中古の場合は熱湯や漂白剤で完全に殺菌しておきます。
  • 株の取り出し:胡蝶蘭を慎重に鉢から抜き取ります。根が鉢に張り付いている場合は、無理に引き抜かず、鉢を壊す覚悟で作業します。
  • 古い植え込み材の除去:根に絡みついた古い水苔やバークを、ピンセットなども使いながら、根を傷つけないように注意深く、しかし徹底的に取り除きます。
  • 感染部位の切除:根を一本一本チェックし、黒く変色している根、スカスカの根、ブヨブヨした根を、消毒したハサミで健康な部分まで切り戻します。同様に、黄色くなった葉や株元の変色部分も切除します。
  • 株全体の洗浄・殺菌:根や株に残った汚れを流水で優しく洗い流します。その後、規定倍率に希釈した殺菌剤の溶液に、株全体(特に根と株元)を30分〜1時間ほど浸漬し、徹底的に消毒します。
  • 乾燥:殺菌剤の溶液から取り出した株を、新聞紙などの上に置き、風通しの良い日陰で半日〜1日ほどかけて、切断面や株全体をしっかりと乾燥させます。
  • 植え付け株が十分に乾いたら、新しい鉢と新しい植え込み材を使って植え付けます。この際、植え込み材を固く詰め込みすぎず、通気性を確保するように心がけます。

この植え替え作業は、株にとって大きな負担となりますが、病気の原因を物理的に取り除くためには不可欠なプロセスです。

植え替え後の株は、しばらくの間は直射日光を避け、非常に乾燥気味に管理することで、新たな根の発生を促します。

処分する際の注意点

残念ながら、治療の甲斐なく胡蝶蘭が枯れてしまったり、病気の進行が著しく、回復の見込みがないと判断したりした場合には、他の健康な株への感染拡大を防ぐために、その株を処分する必要があります。

この際、適切な方法で処分しなければ、庭やベランダに病原菌を撒き散らしてしまうことになりかねません。

最も重要なことは、感染した株や使用していた植え込み材を、絶対に庭や畑、コンポストなどに捨てないということです。

フザリウム菌は非常にしぶとく、土壌中で長期間生存することができます。

もし、これらを安易に土に還してしまうと、その場所が汚染され、将来的に他の植物にも病気を引き起こす原因となってしまいます。

正しい処分方法は、まず株と植え込み材、そして使っていた鉢(特にプラスチック鉢など再利用しないもの)を、ビニール袋に密閉することです。

袋は二重にするなどして、中から菌が漏れ出さないように厳重に封をしてください。

そして、それをお住まいの自治体が定める「可燃ゴミ」の日に、一般ゴミとして廃棄します。

焼却処分されることで、病原菌は完全に死滅させることができます。

また、株の処置に使用したハサミやピンセット、作業を行った場所の床や棚なども、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたもの)やアルコールなどで、徹底的に消毒することを忘れないでください。

悲しい決断ではありますが、被害を最小限に食い止め、残された植物たちを守るためには、最後まで責任を持った対応が求められます。

日常管理でできる簡単な予防とは

胡蝶蘭のフザリウム菌は、一度発症すると治療が大変な病気です。

だからこそ、何よりも日々の管理の中で「病気にさせない」ための予防を徹底することが最も重要になります。

幸い、その多くは特別なことではなく、胡蝶蘭を健康に育てるための基本的な管理方法そのものです。

まず第一に、風通しの確保です。

空気がよどむ場所は菌の温床です。

鉢と鉢の間隔を十分に空け、部屋の窓を開けて空気を循環させるか、穏やかな風を送るサーキュレーターを設置しましょう。

次に、適切な水やりです。

「乾いたらたっぷりと」が基本ですが、特に「乾いたら」の部分を徹底することが予防につながります。

植え込み材の表面だけでなく、中まで乾いたのを確認してから水を与える習慣をつけましょう。

水の与え方も、株の上からかけるのではなく、株元に優しく注ぐようにして、葉や茎に不要な水分が残らないようにします。

  • 風通し:株周りの空気を常に動かし、湿気がこもらないようにする。
  • 水やり:植え込み材が完全に乾いてから与える。メリハリが重要。
  • 日光:レースのカーテン越しの柔らかな光を十分に当てる。株を丈夫にする。
  • 清潔な器具:ハサミやピンセットは株ごとに消毒する。
  • 定期的な植え替え:2〜3年に一度は新しい植え込み材と鉢に植え替える。

また、株を健康に保ち、病気への抵抗力を高めるために、適度な日光浴も欠かせません。

直射日光は葉焼けの原因になるため避けるべきですが、レースのカーテン越しのような明るい日陰で管理することで、光合成が促進され、丈夫な株に育ちます。

そして、見落としがちですが非常に重要なのが、器具の消毒です。

特に複数の胡蝶蘭を育てている場合は、一つの株に使ったハサミを、そのまま次の株に使うことは絶対にやめましょう。

これらの地道な管理の積み重ねが、結果的に胡蝶蘭のフザリウム菌を寄せ付けない最も効果的なバリアとなるのです。

大切な胡蝶蘭のフザリウム菌と向き合い守る知識

この記事を通じて、胡蝶蘭のフザリウム菌という病気の正体から、その症状、原因、そして具体的な対策や予防法までを詳しく見てきました。

この病気は確かに厄介で、大切な胡蝶蘭を枯らしてしまう可能性のある深刻なものです。

しかし、正しい知識を持って向き合えば、決して不治の病ではありません。

重要なのは、日々の観察を怠らず、病気のサインを早期に発見することです。

下葉が黄色くなる、なんとなく元気がない、といった小さな変化に気づくことが、迅速な対応への第一歩となります。

そして、もし感染が疑われた場合には、慌てずに本記事で紹介した手順に沿って、隔離、患部の切除、薬剤の使用、そして必要であれば植え替えといった対策を講じてください。

胡蝶蘭のフザリウム菌の対策は、治療と同じくらい、あるいはそれ以上に予防が重要です。

風通し、水やり、日光といった基本的な栽培環境を見直し、常に清潔を心がけることが、病原菌を寄せ付けない何よりの防御策となります。

あなたの愛情と適切なケアが、胡蝶蘭を病気から守り、毎年美しい花を咲かせる力となるでしょう。

【PR】創業40年以上の実績実力の洋蘭店!

本日のまとめ

  • 胡蝶蘭のフザリウム菌は高温多湿と風通しの悪さで発生する
  • 初期症状は下葉から順に黄色く変色し上へと進行する
  • 水やりをしても葉のハリが戻らないのが特徴
  • 根腐れとは黄変の規則性や根の状態で見分ける
  • 軟腐病は進行が速く悪臭を放つ点で異なる
  • 主な感染経路は根の傷口と汚染された園芸用具
  • 症状を発見したら直ちに他の植物から隔離する
  • 感染した葉や根はためらわずに切除し消毒する
  • 対策としてベンレート水和剤などの殺菌剤が有効
  • 薬剤は耐性菌を防ぐためローテーション散布を心がける
  • 治療には菌の温床となる古い植え込み材を捨てる植え替えが効果的
  • 植え替え時は根の整理と株全体の殺菌を徹底する
  • 処分する株や用土は可燃ゴミとして密閉して廃棄する
  • 予防の基本は風通しの良い環境と乾燥気味の水やり
  • 正しい知識で胡蝶蘭のフザリウム菌から大切な株を守れる
【PR】【お祝い選びに、もう迷わない!金賞受賞の胡蝶蘭で最高の想いを届ける】
大切な方への開店祝いや昇進祝い、記念日の贈り物。

ありきたりなギフトでは、あなたの「おめでとう」の気持ちは伝わりきらないかもしれません。「らんのお花屋さん・クマサキ洋ラン農園」は、数々の賞を受賞した専門農園です。

ハウスから直送される新鮮で高品質な胡蝶蘭は、その美しさと花持ちの良さが自慢。 法人様向けの豪華な5本立てから、個人のお祝いに最適な可憐な一鉢まで、ご用途に合わせて選べます。ラッピング、メッセージカードなど7つの無料サービスも充実。

7つの無料サービス
・ラッピング
・メッセージカード
・写真送付サービス
・育て方パンフレット
・鉢受けトレイ
・霧吹きスプレー
・品質保証書

特別な日の贈り物は、専門店の胡蝶蘭で、あなたの真心を最高のかたちで届けませんか?
創業40年以上の実績実力の洋蘭店!

参考サイト
知っておくべき胡蝶蘭の病気の特徴と原因|胡蝶蘭ステーション
胡蝶蘭の病気と対処法/フザリウム、リゾクトニア、斑点性の病気
【胡蝶蘭の病気・害虫の原因と対処法】葉の変色や異常も症状別に解説 – オフィスギフト
胡蝶蘭の病気-葉枯れ – 大阪の胡蝶蘭生産農家ねば〜らんど
胡蝶蘭の病気と害虫

コメント

タイトルとURLをコピーしました