こんにちは、管理人の胡蝶です
美しい胡蝶蘭が冬の寒さでぐったりしている姿を見ると、とても心配になりますよね。
もしかしたら、それは胡蝶蘭の凍傷が原因かもしれません。
胡蝶蘭の凍傷の症状やその原因を知り、適切な対処法を施せば、大切な株を復活させられる可能性があります。
また、正しい予防策を実践することで、そもそも凍傷になるリスクを大きく減らすことができます。
この記事では、胡蝶蘭の凍傷の見分け方から、葉や根の状態に応じた具体的な対処法、そして最も重要な冬越しのための管理方法まで、詳しく解説していきます。
諦めてしまう前に、まずは正しい知識を身につけ、あなたの胡蝶蘭を救うための一歩を踏み出しましょう。
◆このサイトでわかる事◆
- 胡蝶蘭の凍傷の初期症状と見分け方
- 凍傷によって葉や根に起こる変化
- 凍傷が起こる主な原因と環境
- すぐに試せる緊急時の応急処置
- 凍傷にかかった株の復活に向けた対処法
- 胡蝶蘭を凍傷から守るための予防策
- 冬越しに最適な置き場所と温度管理
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胡蝶蘭の凍傷の症状と見分け方
◆この章のポイント◆
- 葉が変色し枯れるサイン
- 根の状態を確認する対処法
- 初期症状の原因と特定方法
- 他の病気との見分け方
- 緊急時に試したい応急処置
葉が変色し枯れるサイン
胡蝶蘭の凍傷において、最も分かりやすいサインが現れるのが葉の部分です。
健康な胡蝶蘭の葉は、深い緑色でハリとツヤがありますが、凍傷になるとその状態が大きく変化します。
まず最初に現れる症状として、葉の色が変わり始めることが挙げられます。
具体的には、葉が黄色や茶色、場合によっては黒っぽく変色することが多いでしょう。
この変色は、葉の細胞が低温によって破壊されてしまった証拠です。
さらに症状が進行すると、葉の質感が変わってきます。
触ってみると、葉がぶよぶよと柔らかくなっていたり、逆にしわしわになって元気がなくなったりします。
これは、細胞内の水分が凍結と融解を繰り返すことで細胞壁が壊れ、葉の構造を保てなくなった状態を意味します。
特に葉の先端や縁の部分から症状が出やすい傾向にあります。
もし、葉の一部に透明感が出てきたり、水ぶくれのような斑点ができたりした場合も、胡蝶蘭の凍傷を疑うべきサインと言えるでしょう。
これらの症状は、低温に晒されてから数時間から数日で現れることが一般的です。
変色したり、ぶよぶよになったりした葉は、残念ながら元に戻ることはありません。
しかし、株全体が生きている可能性は十分にありますので、症状が出た葉を正しく処理し、株本体を守るためのケアを開始することが重要になります。
冬場に胡蝶蘭の葉に少しでも異変を感じたら、まずは凍傷の可能性を考えて、注意深く観察してみてください。
葉の変色や質感の変化は、胡蝶蘭が発している危険信号なのです。
このサインを見逃さなければ、適切な処置によって株のダメージを最小限に食い止めることが可能となります。
根の状態を確認する対処法
胡蝶蘭の凍傷は葉だけでなく、土の中にある根にも深刻なダメージを与えます。
根は株の生命線であり、ここの状態を確認することが、胡蝶蘭が復活できるかどうかを判断する上で非常に重要です。
根の状態を確認するためには、まず胡蝶蘭を鉢からそっと取り出す必要があります。
健康な根は、白や薄い緑色をしており、触るとしっかりとした弾力と硬さがあります。
水分を吸い上げている証拠として、みずみずしさも感じられるでしょう。
一方で、凍傷になった根は見た目や感触が大きく異なります。
最も分かりやすいのは色の変化で、茶色や黒っぽく変色してしまいます。
さらに、触ってみるとスカスカしていたり、ぶよぶよと腐ったような感触がしたりするでしょう。
これは、根の細胞が低温で死んでしまい、水分を吸収する能力を失って腐敗が始まっている状態です。
もし黒く変色して完全に枯れてしまっている根があれば、それは残念ながら再生することはありません。
このような傷んだ根を放置しておくと、そこから雑菌が繁殖し、健康な部分にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
このとき、少しでも健康な部分を残すように注意深く作業することがポイントです。
たとえ多くの根を失ったとしても、一本でも元気な根が残っていれば、そこから新しい根が伸びて復活する望みはあります。
根の整理が終わったら、新しい水苔やバークを使って植え替えを行いましょう。
葉に症状が出ていなくても、低温に晒された可能性がある場合は、念のため根の状態もチェックすることをおすすめします。
外見だけでは分からない根のダメージを早期に発見し、適切な処置を施すことが、胡蝶蘭の凍傷からの復活率を大きく高める鍵となるのです。
初期症状の原因と特定方法
胡蝶蘭の凍傷における初期症状の原因は、極めてシンプルです。
それは、胡蝶蘭がその生育に適さない低温環境に置かれることにあります。
胡蝶蘭はもともと熱帯地域が原産の植物であり、寒さには非常に弱い性質を持っています。
一般的に、胡蝶蘭が元気に生育できる温度は18℃から25℃程度とされており、最低でも10℃以上を保つことが推奨されています。
この生育可能な温度を下回る環境、特に5℃以下の低温に一定時間晒されると、細胞内の水分が凍結し始め、凍傷のリスクが飛躍的に高まります。
初期症状の原因を特定するためには、まず胡蝶蘭が置かれていた場所の環境を振り返ることが最も重要です。
以下のような状況に心当たりはないでしょうか。
- 冬場の夜間、窓際に置いたままにしていた
- 暖房を切った後の部屋に置いていた
- 玄関や廊下など、暖房の効かない場所に置いていた
- 屋外から室内へ移動させるのが遅れてしまった
- 輸送中や購入後の持ち運びで、冷たい外気に直接当ててしまった
これらの状況は、いずれも胡蝶蘭が低温に晒される典型的な原因です。
特に冬の夜間は、室内であっても窓際は外気の影響で急激に温度が下がります。
日中は暖かくても、夜間の冷え込みが原因で凍傷になるケースは非常に多いのです。
特定方法としては、葉や株の状態変化と、直近の管理環境を結びつけて考えることが有効です。
例えば、「昨日の朝、葉が少しぐったりしていた」そして「その前日の夜は特に冷え込み、窓際に置いていた」という事実があれば、胡蝶蘭の凍傷の可能性は極めて高いと判断できます。
また、同じ部屋に置いてある他の植物は元気なのに、胡蝶蘭だけがダメージを受けている場合も、寒さが原因である可能性が高いと言えるでしょう。
原因を正しく特定できれば、今後の管理方法を見直すきっかけとなり、再発防止に繋がります。
他の病気との見分け方
胡蝶蘭の葉が変色したり、元気がなくなったりする原因は、凍傷だけではありません。
例えば、葉焼け、根腐れ、あるいは炭疽病や軟腐病といった病気の可能性も考えられます。
適切な対処を行うためには、これらの症状と胡蝶蘭の凍傷を正しく見分けることが重要です。
まず、葉焼けとの見分け方です。
葉焼けは、強い直射日光に当たることで葉がダメージを受ける現象です。
葉焼けの症状は、葉が白っぽく、あるいは黄色く変色し、進行するとその部分が乾燥してパリパリになります。
凍傷の葉がぶよぶよと柔らかくなるのとは対照的で、質感に大きな違いがあります。
また、葉焼けは日光が当たっていた部分に局所的に発生することが多いのも特徴です。
次に、根腐れとの見分け方です。
根腐れは、水のやりすぎや鉢内の通気性悪化によって根が腐ってしまう状態です。
根が傷むため、葉に十分な水分が送られなくなり、結果として葉が黄色く変色したり、ハリがなくなったりします。
この葉の症状は凍傷と似ているため、見分けるには根の状態を確認する必要があります。
鉢から株を取り出し、根が黒ずんでぶよぶよしていたり、異臭がしたりする場合は根腐れです。
凍傷は急激な低温が原因ですが、根腐れは長期的な管理の不備が原因であることが多いでしょう。
さらに、炭疽病や軟腐病といった細菌やカビによる病気との比較も必要です。
炭疽病は、葉に黒い斑点ができ、それが徐々に広がっていく病気です。
軟腐病は、葉の付け根などが腐って異臭を放ち、進行が非常に速いのが特徴です。
これらの病気は、凍傷のように株全体が一様にダメージを受けるというよりは、特定の箇所から症状が広がっていく傾向があります。
以下に簡単な見分け方のポイントをまとめます。
症状比較表
| 症状 | 胡蝶蘭の凍傷 | 葉焼け | 根腐れ | 病気(炭疽病など) | 
|---|---|---|---|---|
| 原因 | 急激な低温 | 強い直射日光 | 水のやりすぎ | 細菌・カビ | 
| 葉の状態 | ぶよぶよ、水っぽい、黒ずむ | 白・黄色く変色、乾燥してパリパリ | 黄色く変色、ハリがない | 黒い斑点、腐敗して異臭 | 
| 発生時期 | 冬場に多い | 夏場に多い | 季節を問わない | 高温多湿期に多い | 
| 進行速度 | 速い(数時間~数日) | 比較的ゆっくり | ゆっくり | 病気によるが速いものも | 
寒い場所に置いた記憶があれば凍傷の可能性が高く、強い日に当ててしまったなら葉焼け、最近水をやりすぎたと感じていれば根腐れを疑う、というように原因から推測することが的確な判断に繋がります。
緊急時に試したい応急処置
胡蝶蘭が凍傷にかかったかもしれないと気づいたとき、パニックになってしまうかもしれませんが、落ち着いて迅速に応急処置を施すことが、株へのダメージを最小限に抑える鍵となります。
まず、最も重要なことは、凍傷の疑いがある胡蝶蘭をすぐに暖かい場所へ移動させることです。
ただし、ここで注意点があります。
急激に温めようとして、ストーブの真ん前やエアコンの温風が直接当たるような場所に置くのは絶対に避けてください。
急激な温度変化は、ダメージを受けた細胞にさらに追い打ちをかけることになり、逆効果です。
リビングなど、暖房が効いていて温度が安定している部屋が良いでしょう。
場所を移動させたら、次に株の状態を詳しく観察しますが、その時点ではまだ水やりはしないでください。
凍傷にかかった根は、水分を吸収する能力が著しく低下しています。
その状態で水を与えても吸収できず、かえって根腐れを引き起こす原因になってしまいます。
株が新しい環境に慣れ、少し落ち着くまでは、水やりはぐっと我慢しましょう。
数時間から1日程度、暖かい場所で様子を見ます。
この間に、葉や茎の状態がどのように変化するかを観察してください。
残念ながら、一度凍ってしまった細胞が完全に元に戻ることはありません。
葉がぶよぶよになったり、透明感が出たり、黒く変色したりといった症状がはっきりと現れてくるでしょう。
応急処置の段階では、これらの傷んだ部分をすぐに切り取る必要はありません。
まずは株全体を安定させることが最優先です。
傷んだ葉や根の切除といった外科的な処置は、株が少し落ち着き、どこまでがダメージを受けている範囲なのかが明確になってから行います。
応急処置のポイントをまとめると以下のようになります。
- すぐに暖かい場所(18~20℃)へ移動させる
- 急激に温めるのは避ける(ストーブの直前などはNG)
- 水やりは絶対にしない
- 数時間~1日様子を見て、ダメージの範囲を見極める
この初期対応が、その後の胡蝶蘭の生死を分けることもあります。
焦らず、しかし迅速に、正しい応急処置を行ってください。
この段階を乗り越えることが、復活への第一歩となるのです。
胡蝶蘭の凍傷からの復活と予防策
◆この章のポイント◆
- 適切な置き場所で冬越し
- 復活に向けた管理方法
- 凍傷を防ぐための予防策
- 温度管理の重要性
- 水やりの頻度と注意点
- 正しい知識で防ぐ胡蝶蘭の凍傷
適切な置き場所で冬越し
胡蝶蘭の凍傷を防ぎ、無事に冬越しさせるためには、置き場所の選定が最も重要なポイントと言っても過言ではありません。
胡蝶蘭は本来、暖かい地域の木に着生している植物なので、日本の冬の寒さは非常に苦手です。
冬越しのための最適な置き場所の条件は、ずばり「暖かく、明るく、風通しの良い場所」です。
まず、温度についてです。
日中はもちろん、夜間も最低10℃、できれば15℃以上を保てる場所が理想的です。
そうなると、必然的にリビングなど、人が常にいる暖かい部屋が第一候補となります。
しかし、暖かい部屋の中でも注意すべき場所があります。
それは窓際です。
窓際は日中、日光が当たって暖かく感じますが、夜になると外の冷気がガラスを通して伝わり、室内の他の場所よりも数℃も温度が下がることがあります。
この急激な温度変化が胡蝶蘭の凍傷の大きな原因となります。
もし移動が難しい場合は、窓と胡蝶蘭の間に段ボールを一枚挟んだり、厚手のカーテンを閉めたりするだけでも、冷気を遮断する効果が期待できます。
次に、光の条件です。
冬は日照時間が短くなるため、できるだけ明るい場所に置いてあげたいものです。
前述の通り、レースのカーテン越しに柔らかい光が当たる場所が最適です。
直射日光は葉焼けの原因になるため避けるべきですが、光が不足すると株が弱ってしまいます。
最後に、風通しです。
冬場は窓を閉め切ることが多く、空気が滞りがちになります。
空気が動かないと、病害虫が発生しやすくなったり、鉢の中が蒸れて根腐れの原因になったりします。
エアコンの風が直接当たる場所は乾燥しすぎるため避けるべきですが、部屋の空気を時々入れ替えるか、サーキュレーターなどで緩やかに空気を循環させてあげると良いでしょう。
玄関や暖房のない北側の部屋、床の上なども底冷えするため、冬場の置き場所としては不適切です。
少し高さのある棚やテーブルの上に置くことで、床からの冷気を避けることができます。
これらのポイントを守り、胡蝶蘭にとって快適な置き場所を確保することが、凍傷を防ぎ、美しい姿のまま春を迎えるための秘訣です。
復活に向けた管理方法
胡蝶蘭が凍傷にかかってしまった後、復活させるためには、焦らずじっくりと時間をかけた丁寧な管理が必要になります。
応急処置で暖かい場所に移動させた後の、具体的な管理方法について解説します。
まず、ダメージを受けた部分の処置です。
暖かい場所で数日様子を見ると、凍傷でダメージを受けた葉や根の範囲がはっきりと分かってきます。
黒く変色したり、ぶよぶよになったりした葉は、残念ながら元には戻りません。
これらの部分を放置すると、そこから腐敗が進み、健康な部分にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
同様に、根も確認し、黒ずんでスカスカになった根は全て取り除きましょう。
たとえ葉が全てなくなってしまっても、株元(根の付け根あたり)や元気な根が少しでも残っていれば、復活の可能性は残されています。
次に、植え替えです。
傷んだ根を取り除いたら、新しい水苔やバークを使って植え替えてあげましょう。
古い植え込み材には雑菌がいる可能性があるため、新しいものに交換することで、清潔な環境を保ちます。
植え替え後は、管理方法が通常とは少し異なります。
最も重要なのが水やりです。
植え替え直後はすぐに水を与えず、1週間から10日ほどは水やりを控えます。
これは、根の整理でできた切り口を乾燥させ、そこからの雑菌の侵入を防ぐためです。
その後も、水やりは非常に控えめに行います。
株は体力が落ちており、根の数も減っているため、水をあまり吸い上げることができません。
植え込み材の表面が完全に乾いてから、さらに数日待ってから与えるくらいで十分です。
霧吹きで葉の周辺の湿度を保つ「葉水」は有効ですが、株元に水が溜まらないように注意してください。
肥料も、復活するまでは絶対に与えてはいけません。
弱っている株にとって肥料は負担になるだけで、逆効果です。
新しい葉や根が元気に伸びてくるのを確認できるまでは、肥料は我慢しましょう。
置き場所は、これまで通り、18℃以上の暖かく、レースのカーテン越しの明るい場所で管理を続けます。
復活には数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。
焦らず、諦めずに、胡蝶蘭の生命力を信じて、基本的な管理を丁寧に続けていくことが、復活への唯一の道です。
凍傷を防ぐための予防策
胡蝶蘭の凍傷は、一度かかってしまうと回復に多大な時間と労力がかかります。
最も良いのは、もちろん凍傷にならないように日頃から予防策を講じておくことです。
ここでは、誰でも実践できる効果的な予防策をいくつか紹介します。
第一に、天気予報をこまめにチェックする習慣をつけることです。
特に秋から冬にかけては、「今夜は冷え込みます」「放射冷却で朝はぐっと気温が下がります」といった予報に注意を払いましょう。
最低気温が10℃を下回るような日は、胡蝶蘭の置き場所に特に気を使う必要があります。
第二に、夜間の置き場所の工夫です。
前述の通り、夜間の窓際は非常に冷え込みます。
それが難しい場合は、窓と鉢の間に段ボールや発泡スチロールの板を立てかけるだけでも、冷気を遮断する効果があります。
また、鉢を直接床に置かず、少し高さのある台や棚の上に置くことで、床からの底冷えを防ぐことができます。
第三に、簡易的な保温対策です。
夜間、冷え込みが特に厳しいと予想される日には、胡蝶蘭の株全体を大きなビニール袋や不織布でふんわりと覆ってあげるのも良い方法です。
こうすることで、株の周りの湿度と温度が保たれ、急激な温度低下から守ることができます。
ただし、日中は蒸れの原因になるので、朝になったら必ず外してあげてください。
第四に、冬場の水やりの管理です。
冬は胡蝶蘭の成長が緩やかになり、水の吸収量も減ります。
鉢の中が常に湿っていると、その水分が冷えることで根を傷める原因にもなります。
水やりは午前中の暖かい時間帯に行い、夜までに余分な水分が乾くように心がけましょう。
第五に、贈答品などで冬場に胡蝶蘭を入手した場合の注意です。
輸送中や店舗で冷気に晒されている可能性があります。
すぐに暖かい部屋に置き、数日は特に注意深く様子を観察してください。
これらの予防策は、どれも少しの手間をかけるだけで実践できることばかりです。
「胡蝶蘭は寒さに弱い」ということを常に意識し、天気予報を確認しながら先回りして対策を打つことが、大切な胡蝶蘭を凍傷から守る上で最も効果的なのです。
温度管理の重要性
胡蝶蘭の栽培において、特に冬場の温度管理は、その成否を分ける最も重要な要素です。
胡蝶蘭の凍傷は、不適切な温度管理が直接的な原因となって引き起こされます。
その重要性を理解し、適切な環境を維持することが、凍傷の予防と健康な生育に繋がります。
胡蝶蘭の原産地である熱帯の気候を考えると、彼らがどれほど寒さに弱いかが想像できるでしょう。
胡蝶蘭にとっての「快適な温度」は、一般的に18℃~25℃の範囲です。
この温度帯では、光合成を活発に行い、元気に成長します。
そして、生命を維持するための「最低限界温度」は、およそ10℃とされています。
これ以下の温度が続くと成長が止まり、株は休眠状態に入ります。
さらに危険なのが「凍傷リスクが高まる温度」で、これは5℃以下とされています。
5℃以下の環境に数時間でも置かれると、細胞内の水分が凍結し、組織が破壊されてしまう胡蝶蘭の凍傷が発生するのです。
これを実現するためには、まず温度計を用意し、胡蝶蘭を置いている場所の実際の温度を把握することが大切です。
部屋の壁にあるエアコンの設定温度と、窓際の床の温度では、冬場は5℃以上の差があることも珍しくありません。
最高気温と最低気温が記録できる温度計を胡蝶蘭の鉢の横に置いておくと、夜間にどれだけ温度が下がっているかを正確に知ることができ、非常に役立ちます。
もし、どうしても夜間に10℃を維持するのが難しい環境の場合は、保温対策を強化する必要があります。
例えば、段ボール箱で鉢ごと覆ったり、ペット用のヒーターを離れた場所で利用したりする方法も考えられます。
ただし、いずれの場合も熱が直接胡蝶蘭に当たらないように、また乾燥しすぎないように注意が必要です。
温度管理は、単に部屋を暖めれば良いというものではありません。
胡蝶蘭が置かれている「ミクロの環境」の温度を意識し、夜間の冷え込みという最大の敵からいかに守るか、という視点が重要です。
この一手間を惜しまないことが、冬を乗り越え、翌年も美しい花を咲かせるための鍵となるのです。
水やりの頻度と注意点
冬場の水やりは、胡蝶蘭の凍傷を予防し、健康を維持する上で、温度管理と並んで非常に重要なポイントです。
冬は胡蝶蘭の成長が緩慢になる「休眠期」にあたり、夏の成長期と同じ感覚で水やりをしていると、根腐れや凍傷のリスクを高めてしまいます。
まず、水やりの頻度についてです。
冬場は、夏場に比べて水やりの間隔を大幅に空ける必要があります。
具体的な目安としては、植え込み材(水苔やバーク)の表面が乾いてから、さらに4~5日、あるいは1週間程度待ってから与えるくらいで十分です。
指で植え込み材を触ってみて、中のほうまで乾いているのを確認してから水やりをするのが確実です。
「乾かし気味に管理する」というのが冬場の水やりの基本方針です。
次に、水やりを行う時間帯です。
夕方や夜に水やりをすると、夜間の冷え込みで鉢の中の水分が冷え切り、根を直接冷やしてしまいます。
これが胡蝶蘭の凍傷の引き金になることがあるのです。
午前中に水やりを済ませておけば、日中の暖かさで余分な水分が蒸発し、夜を迎える頃には適度な湿り具合になります。
与える水の温度にも注意が必要です。
冷たい水道水をそのまま与えるのは、根にショックを与えてしまいます。
室温と同じくらいの、少しぬるく感じる程度の水(15℃~20℃)を用意して与えるのが理想的です。
また、水の与え方ですが、株の上からかけるのではなく、根元に優しく注ぎます。
葉の付け根や成長点に水が溜まったままだと、そこから腐敗する原因になるため、もし水がかかってしまったらティッシュなどで優しく拭き取っておきましょう。
冬場の注意点をまとめます。
- 頻度:植え込み材が完全に乾いてから数日待つ
- 時間帯:暖かい日の午前中に行う
- 水の温度:室温程度のぬるま湯を使う
- 注意点:葉の付け根に水を溜めない
乾燥が気になる場合は、水やりの代わりに霧吹きで葉の周りの湿度を保つ「葉水」を行うのが効果的です。
これも暖かい日中に行いましょう。
正しい水やり管理は、根を健康に保ち、株全体の抵抗力を高めます。
その結果、多少の寒さにも耐えられる強い株に育ち、胡蝶蘭の凍傷のリスクを減らすことに繋がるのです。
正しい知識で防ぐ胡蝶蘭の凍傷
ここまで、胡蝶蘭の凍傷の症状から原因、対処法、そして予防策について詳しく見てきました。
大切なのは、これらの知識を総合的に理解し、日々の管理に活かしていくことです。
胡蝶蘭の凍傷は、ある日突然起こる不運な事故のように感じるかもしれませんが、そのほとんどは日々の管理における少しの油断や知識不足が原因で発生します。
逆に言えば、正しい知識を持って丁寧に管理すれば、凍傷はかなりの高確率で防ぐことができるトラブルなのです。
この記事で解説した重要なポイントを改めて振り返り、あなたの胡蝶蘭の管理方法を見直してみましょう。
まず、あなたの胡蝶蘭が置かれている場所の「最低温度」を把握していますか。
温度計を設置し、夜間に10℃を下回っていないかを確認することが、すべての基本となります。
もし下回っているようであれば、置き場所の変更や保温対策が急務です。
次に、水やりのタイミングは適切でしょうか。
冬場に「なんとなく」で水を与えていませんか。
植え込み材の乾き具合をしっかりと確認し、暖かい日の午前中に水やりをするというルールを徹底するだけで、リスクは大きく減少します。
そして、天気予報を確認する習慣はありますか。
「明日の朝は冷え込む」という情報を事前に知っていれば、その夜だけ部屋の中央に移動させる、段ボールで囲うといった先手の対策を打つことができます。
胡蝶蘭の凍傷は、一度重症化すると復活が非常に難しくなります。
葉が全て落ち、根のほとんどがダメになってしまっては、再生は困難を極めるでしょう。
胡蝶蘭は、決してか弱いだけの植物ではありません。
適切な環境さえ整えてあげれば、毎年美しい花を咲かせてくれる強い生命力を持っています。
正しい知識は、その生命力を最大限に引き出してあげるための最高の武器です。
この記事が、あなたの愛する胡蝶蘭を冬の寒さから守り、長く楽しむための一助となれば幸いです。
本日のまとめ
- 胡蝶蘭の凍傷は5℃以下の低温が主な原因
- 症状は葉がぶよぶよに変色することから始まる
- 凍傷のサインを見つけたらすぐに暖かい場所へ移動させる
- 急激な加温は避け18℃前後の環境が理想
- 応急処置の段階では水やりは厳禁
- 傷んだ葉や根は清潔なハサミで切り取る
- 復活には新しい植え込み材での植え替えが効果的
- 回復期の水やりは極めて控えめにする
- 新しい芽が出るまで肥料は与えない
- 予防策として夜間の窓際を避けることが最も重要
- 最低でも10℃以上を保つ温度管理を徹底する
- 冬の水やりは暖かい日の午前中に行う
- 天気予報を確認し冷え込む日は事前に対策する
- 正しい知識を持つことが凍傷を防ぐ一番の近道
- 諦めずに丁寧な管理を続ければ復活の可能性がある
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参考サイト
落ち込むのはまだ早い!胡蝶蘭の凍傷対策と復活方法について
胡蝶蘭は寒さに弱い!冬は凍傷に注意しよう – プレミアガーデン
胡蝶蘭は寒さに弱いので冬は凍傷(とうしょう)に注意して育てる
胡蝶蘭の凍傷について – ベストフラワー
胡蝶蘭はほったらかしでも育てられる?よくある症状・対処法を解説
 
  
  
  
  


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