こんにちは、管理人の胡蝶です
美しい胡蝶蘭を贈られた、あるいは自分で購入したものの、その後の育て方に不安を感じていませんか。
特に、胡蝶蘭の水やりと霧吹きは、株を元気に保つために最も重要な管理作業の一つです。
水やりの頻度や適切なタイミングが分からず、根腐れさせてしまわないか心配になる方も多いかもしれません。
また、季節によって水やりの方法を変える必要があるのか、葉水は本当に必要なのかといった疑問も出てくるでしょう。
胡蝶蘭が好む温度や湿度、そして植え込み材の種類によっても水やりの方法は変わってくるため、一概に「こうすれば良い」と言えないのが難しいところです。
過度な乾燥は株を弱らせる原因になりますし、受け皿に水を溜めたままにすることも禁物です。
この記事では、胡蝶蘭の水やりと霧吹きに関するあらゆる疑問にお答えし、初心者の方でも失敗しないための具体的な方法を詳しく解説していきます。
正しい知識を身につけて、大切な胡蝶蘭を長く美しく咲かせ続けましょう。
◆このサイトでわかる事◆
- 胡蝶蘭の水やりの最適な頻度とタイミング
- 季節ごとの水やり方法の違い
- 霧吹きを使った正しい葉水のやり方
- 根腐れを確実に防ぐための重要なポイント
- 乾燥から胡蝶蘭を守るための具体的な工夫
- 植え込み材の種類に応じた水やり方法
- 胡蝶蘭が好む環境（温度・湿度）の整え方
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胡蝶蘭の水やりと霧吹きの基本的な方法
◆この章のポイント◆
- 水やりの最適な頻度とタイミング
- 季節によって変わる水やりの注意点
- 霧吹きで行う正しい葉水のやり方
- 過度な乾燥を防ぐための工夫とは
- 受け皿に溜まった水の適切な処理
水やりの最適な頻度とタイミング
胡蝶蘭の水やりで最も大切な原則は、「植え込み材の表面が乾いてから、さらに数日待って与える」ということです。
多くの植物とは異なり、胡蝶蘭は常に湿った状態を嫌います。
特に根は乾燥に強く、過湿に非常に弱いため、水のやりすぎは根腐れの直接的な原因となってしまうのです。
水やりの頻度は、季節や置かれている環境によって大きく変わりますが、一般的な目安としては春と秋は7日から10日に1回程度です。
夏はもう少し頻度を上げて5日から7日に1回、冬は逆に頻度を下げて10日から20日に1回くらいが良いでしょう。
しかし、これはあくまで目安にすぎません。
最も確実な方法は、実際に植え込み材の状態を指で触って確認することです。
水苔の場合は、表面を触ってみてカラカラに乾いているのを確認してから、さらに2〜3日待つのが理想的です。
鉢を持ち上げてみて、軽くなっているのも水やりのサインと考えられます。
次に水やりのタイミング、つまり時間帯ですが、これは午前中に行うのが鉄則です。
なぜなら、夕方や夜に水やりをすると、気温の低下とともに鉢の中の水分が乾きにくくなり、根が長時間濡れたままになってしまうからです。
このような状態が続くと、根腐れのリスクが格段に高まります。
午前中に水やりをすれば、日中の暖かさで余分な水分が蒸発しやすく、夜までには鉢内が適度な湿り具合になるというわけです。
与える水の量は、鉢底から水が流れ出てくるまでたっぷりと与えるのが基本となります。
コップ1杯程度を株元に注ぐ方法が一般的ですが、これにより鉢全体の植え込み材を均一に湿らせることができます。
水やりの頻度とタイミング、この二つを正しく守ることが、胡蝶蘭を健康に育てる第一歩と言えるでしょう。
季節によって変わる水やりの注意点
胡蝶蘭の水やりは、一年を通して同じ方法ではうまくいきません。
人間が季節に合わせて衣替えをするように、胡蝶蘭も季節の移り変わりに合わせて水やりの方法を調整してあげる必要があります。
ここでは春、夏、秋、冬、それぞれの季節における水やりの注意点を詳しく見ていきましょう。
春の水やり
春は胡蝶蘭が成長期に入る季節です。
気温が徐々に上がり、新芽や新しい根が動き出すため、水を必要とするようになります。
水やりの頻度は、植え込み材の表面が乾いてから2〜3日後を目安に、おおよそ7日〜10日に1回程度与えると良いでしょう。
ただし、春はまだ寒暖差が大きい時期でもあります。
暖かい日が続いたかと思えば、急に冷え込むこともあるため、気温の変化には注意が必要です。
夏の水やり
夏は一年で最も気温が高く、胡蝶蘭の活動も活発になります。
同時に、鉢の中の水分も蒸発しやすくなるため、水やりの頻度は他の季節よりも高まります。
目安としては5日〜7日に1回程度ですが、エアコンの効いた室内では乾燥が進みやすいので、植え込み材の乾き具合をこまめにチェックすることが大切です。
夕方に葉の表面温度を下げる目的で葉水を与えるのも効果的ですが、与えすぎには注意しましょう。
秋の水やり
秋は夏に比べて気温が下がり、過ごしやすい季節です。
胡蝶蘭にとっても快適な時期で、成長が続きます。
水やりの頻度は春と同様に、7日〜10日に1回程度に戻します。
秋が深まるにつれて徐々に気温が下がってくるため、冬に向けて水やりの間隔を少しずつ長くしていくことを意識すると良いでしょう。
冬の水やり
冬は胡蝶蘭の成長が緩やかになる休眠期にあたります。
気温が低いため、水をあまり必要とせず、鉢の中の水分も乾きにくくなります。
この時期に水をやりすぎると、根腐れを起こす最大の原因となるため、水やりは控えめにしなければなりません。
頻度の目安は10日〜20日に1回、あるいはそれ以上間隔をあけても問題ない場合もあります。
植え込み材が完全に乾いてから、さらに4〜5日待つくらいの気持ちで管理するのがポイントです。
また、冬は水道水の温度が非常に低くなるため、水やりをする際は少しぬるま湯（15℃〜20℃程度）を使うと、根への負担を減らすことができます。
このように、季節ごとの特徴を理解し、水やりを調整することが胡蝶蘭の健康を保つ鍵となります。
霧吹きで行う正しい葉水のやり方
胡蝶蘭の管理方法としてよく耳にする「葉水（はみず）」ですが、これは霧吹きを使って葉に直接水分を与えることを指します。
葉水にはいくつかの重要な役割があり、正しく行うことで胡蝶蘭の健康維持に役立ちます。
まず、葉水の最大の目的は、葉の周辺の湿度を高めることです。
胡蝶蘭は元々、熱帯雨林の樹木に着生している植物で、湿度が高い環境を好みます。
特にエアコンの効いた室内は空気が乾燥しやすいため、葉水によって潤いを与え、乾燥による葉のしおれや傷みを防ぐ効果が期待できます。
また、葉水はハダニなどの害虫予防にもつながります。
ハダニは乾燥した環境を好んで発生するため、定期的に葉を湿らせることで、その発生を抑制することができるのです。
さらに、葉の表面に付着したホコリを洗い流し、光合成を促進させるという役割もあります。
では、具体的な葉水のやり方を見ていきましょう。
葉水を行うタイミングは、水やりと同様に午前中が最適です。
霧吹きを使い、葉の表と裏の両面に、まんべんなく水がかかるようにスプレーします。
このとき、いくつかの重要な注意点があります。
- 花には水をかけないこと。花に水がかかるとシミの原因になったり、花の寿命を縮めたりすることがあります。
- 株の根元（成長点）に水が溜まらないようにすること。成長点に水が溜まったままになると、そこから株が腐ってしまう可能性があります。もし水が溜まってしまった場合は、ティッシュなどで優しく拭き取ってください。
- 気温が低い冬場は避けること。冬に葉水を行うと、葉に残った水分が冷えて株全体を冷やしてしまい、ダメージを与える原因になります。
葉水は毎日必ず行わなければならないものではありません。
特に梅雨時期など湿度が高い季節には不要です。
空気が乾燥しやすい夏場や、暖房で室内が乾燥する冬（ただし日中の暖かい時間帯に限る）などに、様子を見ながら行うのが良いでしょう。
葉水は胡蝶蘭にとって有益なケアですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。
上記のポイントを守り、適切に行うことが大切です。
過度な乾燥を防ぐための工夫とは
胡蝶蘭は過湿を嫌いますが、同時に極端な乾燥も苦手です。
特に、日本の住環境、特に冷暖房を使用する季節は、人間が快適だと感じる湿度よりもずっと乾燥していることが多く、胡蝶蘭にとっては過酷な環境になりがちです。
胡蝶蘭の株が乾燥しすぎると、葉に張りがなくなりシワが寄ったり、つぼみが開かずに落ちてしまったりする原因となります。
そうした事態を避けるために、ここでは乾燥を防ぐためのいくつかの工夫をご紹介します。
最も手軽で効果的な方法の一つは、加湿器を使用することです。
胡蝶蘭を置いている部屋で加湿器を使い、空間全体の湿度を上げることで、安定した環境を保つことができます。
胡蝶蘭が好む湿度は50%〜60%程度とされていますが、人間にとっても快適な湿度なので、ぜひ試してみてください。
加湿器がない場合でも、いくつかの方法で湿度を保つことが可能です。
例えば、胡蝶蘭の鉢の周りに水の入ったコップやトレイを置くだけでも、その水分が蒸発して周辺の湿度を上げる効果があります。
また、濡れタオルを近くに干しておくのも同様の効果が期待できるでしょう。
前述した葉水も、乾燥対策として有効な手段です。
日中の暖かい時間帯に霧吹きで葉に潤いを与えることで、一時的ではありますが湿度を高め、葉からの水分の蒸散を防ぎます。
ただし、エアコンや暖房の風が直接当たる場所に胡蝶蘭を置くのは絶対に避けてください。
直接的な風は、植物の表面から急激に水分を奪い、深刻な乾燥ダメージを引き起こします。
置き場所を見直すだけで、乾燥の問題が大きく改善されることも少なくありません。
複数の植物を近くにまとめて置く「グルーピング」という方法もおすすめです。
植物はそれぞれ葉から水分を蒸散しているため、複数の鉢を寄せて置くことで、互いの蒸散作用によって周辺の湿度が高まり、保湿効果が生まれます。
これらの工夫を組み合わせ、胡蝶蘭にとって快適な湿度環境を整えてあげることで、乾燥によるトラブルを防ぎ、生き生きとした美しい姿を長く楽しむことができるようになります。
受け皿に溜まった水の適切な処理
胡蝶蘭の水やりにおいて、意外と見落とされがちでありながら、非常に重要なポイントが「受け皿に溜まった水の処理」です。
水やりをする際、「鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」与えるのが基本ですが、その結果として受け皿には必ず水が溜まります。
この溜まった水をそのままにしておくことは、胡蝶蘭にとって最も危険な状態の一つであり、絶対に避けなければなりません。
なぜなら、受け皿に水が溜まっていると、鉢底の穴からその水が逆流し、鉢の中の植え込み材が常に湿った状態になってしまうからです。
胡蝶蘭の根は、もともと樹木に張り付いて空気に触れている状態が自然であり、長時間水に浸かることを極端に嫌います。
鉢の底がずっと水に浸かっている状態は、人間で言えば常に長靴の中に水が溜まっているようなもので、根が呼吸できなくなり、やがて腐ってしまいます。
これが、胡蝶蘭の失敗で最も多い「根腐れ」の典型的な原因です。
したがって、水やりをした後は、必ず受け皿に溜まった水を捨てる習慣をつけましょう。
少し面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が胡蝶蘭の寿命を大きく左右します。
水を捨てるタイミングは、水やりをしてから10分〜15分後くらいが目安です。
鉢の中の余分な水が完全に出てくるのを待ってから、鉢を一度持ち上げて、受け皿の水を完全に捨ててください。
特に、化粧鉢や鉢カバーの中にプラスチックの鉢が入っているタイプのものは注意が必要です。
外側からは水が溜まっているかどうかわかりにくいため、水やりの後は必ず中の鉢を取り出して、カバーの底に水が溜まっていないか確認するべきです。
もし溜まっていれば、もちろんすぐに捨てます。
旅行などで数日間家を空ける際に、乾燥対策として受け皿に水を張っておこうと考える方がいるかもしれませんが、これは絶対にやってはいけない管理方法です。
胡蝶蘭は乾燥には比較的強い植物なので、数日間水やりができないことよりも、根が水に浸かり続けることの方がはるかに大きなダメージとなります。
受け皿の水を捨てるという単純な作業ですが、これを徹底することが、根腐れを防ぎ、胡蝶蘭を健康に育てるための最も確実な方法の一つなのです。
胡蝶蘭の水やりと霧吹きで失敗しないコツ
◆この章のポイント◆
- 根腐れをさせない水やりのポイント
- 胡蝶蘭に最適な温度と湿度の管理
- 植え込み材で変わる水やりの方法
- 花が咲いている期間の特別なケア
- 正しい胡蝶蘭の水やりと霧吹きで長く楽しむために
根腐れをさせない水やりのポイント
胡蝶蘭を育てる上で最も注意すべき病気であり、枯らしてしまう最大の原因が「根腐れ」です。
根腐れは、その名の通り根が腐ってしまう状態で、一度進行すると回復が非常に困難になります。
しかし、根腐れの原因はほとんどが水のやりすぎ、つまり「過湿」にあります。
したがって、正しい水やりのポイントを理解し実践すれば、根腐れは十分に防ぐことが可能です。
根腐れを防ぐための最大のポイントは、繰り返しになりますが「植え込み材が完全に乾いてから水を与える」という原則を徹底することです。
胡蝶蘭の根は、水分と空気の両方を必要とします。
鉢の中が常に湿っていると、根が空気に触れることができず、呼吸困難に陥ってしまいます。
その結果、根の組織が壊死し、腐敗が始まるのです。
水やりのタイミングを判断するためには、植え込み材の表面だけでなく、内部の乾き具合も意識することが重要になります。
特に水苔は保水性が高いため、表面が乾いていても内部はまだ湿っていることがよくあります。
鉢の重さを確認したり、鉢の側面の穴から中の様子を観察したり、竹串などを挿して内部の湿り気をチェックしたりする方法も有効でしょう。
「乾かし気味の管理」を常に心がけ、「まだ大丈夫かな？」と迷ったら、水やりは次の日に見送るくらいの慎重さが大切です。
第二のポイントは、「受け皿の水を必ず捨てる」ことです。
前の章でも詳しく説明しましたが、これは根腐れ防止の観点から非常に重要です。
鉢底が水に浸かっている状態は、根腐れを誘発する最悪の環境と言っても過言ではありません。
水やり後は必ず受け皿の水を捨てる、この習慣を徹底してください。
第三に、鉢の通気性を確保することも根腐れ防止に繋がります。
素焼きの鉢は通気性に優れているため、根腐れの心配が少なくなります。
もしプラスチック鉢や陶器鉢を使用している場合は、鉢の置き場所を工夫し、風通しの良い環境を整えてあげましょう。
鉢の底に鉢底石を敷くのも、水はけと通気性を良くするのに役立ちます。
万が一、葉に張りがなくなったり、黄色く変色したりするなど、根腐れの兆候が見られた場合は、勇気を出して株を鉢から抜いてみてください。
黒く変色してブヨブヨになった根があれば、それは腐った根です。
清潔なハサミで思い切って切り落とし、新しい植え込み材で植え替えることで、再生の可能性が出てきます。
根腐れは胡蝶蘭にとって致命的な問題ですが、その原因と対策は非常にシンプルです。
水の与えすぎに注意し、鉢内を乾燥させる時間を作ってあげることが、何よりも効果的な予防策となります。
胡蝶蘭に最適な温度と湿度の管理
胡蝶蘭を元気に育てるためには、水やりだけでなく、生育環境である温度と湿度の管理も非常に重要です。
胡蝶蘭は熱帯原産の植物であるため、日本の四季の変化、特に極端な夏場の暑さや冬場の寒さは本来苦手です。
適切な温度と湿度を保つことで、胡蝶蘭は健康を維持し、美しい花を咲かせることができます。
まず、温度についてですが、胡蝶蘭が最も快適に過ごせる生育適温は、18℃から25℃の範囲とされています。
これは、人間が室内で快適に過ごせる温度とほぼ同じなので、管理は比較的しやすいと言えるでしょう。
ただし、注意が必要なのは夏と冬です。
夏場は30℃を超えるような高温が続くと、株が弱ってしまう「夏バテ」の状態になることがあります。
直射日光を避け、レースのカーテン越しなど、明るく風通しの良い場所に置いて、涼しく過ごせるように工夫してあげましょう。
一方、冬場は寒さ対策が必須です。
胡蝶蘭は寒さに弱く、最低でも10℃以上、できれば15℃以上を保つのが理想的です。
特に夜間は窓際などが外気で冷え込みやすいため、部屋の中央に移動させたり、段ボールや発泡スチロールの箱で鉢を囲ったりするなどの防寒対策が必要になります。
次に、湿度管理です。
胡蝶蘭が好む湿度は、50%〜60%程度です。
しかし、日本の冬の室内は暖房の影響で湿度が20%〜30%まで下がることも珍しくありません。
このような極端な乾燥は、葉の水分を奪い、株を弱らせる原因となります。
乾燥対策としては、加湿器の使用が最も効果的です。
その他にも、鉢の周りに水を置いたり、定期的に葉水を行ったりすることも有効です。
ただし、湿度を高めたいからといって、鉢の中を常に湿らせておくのは間違いです。
あくまで空気中の湿度を保つことが目的であり、鉢内の過湿は根腐れにつながるため、水やりと湿度管理は分けて考える必要があります。
風通しを良くすることも、適切な環境管理の一環です。
空気がよどんでいると、病害虫が発生しやすくなったり、鉢の中が乾きにくくなったりします。
サーキュレーターなどで緩やかな空気の流れを作ってあげるのも良い方法です。
このように、温度と湿度、そして風通しという3つの要素を適切に管理してあげることで、胡蝶蘭は原産地に近い快適な環境で過ごすことができ、病気にもかかりにくくなります。
植え込み材で変わる水やりの方法
胡蝶蘭の鉢の中に植えられている材料、これを「植え込み材」または「コンポスト」と呼びます。
植え込み材には様々な種類がありますが、市販の胡蝶蘭で主に使用されているのは「水苔（みずごけ）」と「バーク」の二種類です。
この二つの植え込み材は、水の保水性や乾き方が大きく異なるため、それぞれに適した水やりの方法を理解しておくことが非常に重要になります。
自分の胡蝶蘭がどちらの材料で植えられているかを確認し、その特性に合わせた水やりを実践しましょう。
水苔で植えられている場合
水苔は、非常に保水性が高いのが特徴です。
一度水を含むと、その水分を長時間保持し続ける性質があります。
このため、水苔植えの胡蝶蘭は、水やりの頻度が比較的少なくて済みます。
水やりのタイミングは、水苔の表面が完全に乾き、指で触ってみてカサカサとした感触になってから、さらに数日待つのが正解です。
見た目で湿っているように見えても、内部はまだ水分をたっぷり含んでいることが多いので、水のやりすぎには特に注意が必要です。
鉢を持ち上げてみて、軽くなったと感じるのも水やりの良いサインです。
水苔は乾きすぎると水を弾きやすくなるため、与えるときは株元にコップ1杯程度の水をゆっくりと注ぎ、全体に染み渡らせるようにします。
バークで植えられている場合
バークは、松などの樹皮をチップ状に加工したものです。
水苔とは対照的に、水はけが良く、乾きやすいという特徴があります。
チップとチップの間に隙間が多いため通気性に優れ、根腐れしにくいというメリットがありますが、その分、水やりの頻度は水苔よりも高くなります。
バーク植えの場合、水やりの目安は鉢の中のバークが全体的に乾いたタイミングです。
水苔ほど神経質に乾燥を待つ必要はありませんが、やはり表面だけでなく、中の乾き具合を確認することが大切です。
バークは水苔よりもさらに水を弾きやすいため、水を与える際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。
シャワーなどを使って、鉢全体に水をかけるようにすると、ムラなく湿らせることができます。
もちろん、水やり後は受け皿の水を必ず捨ててください。
このように、植え込み材の特性を理解することで、水やりの失敗を大きく減らすことができます。
水苔なら「じっくり乾かす」、バークなら「乾いたらたっぷり」と覚えておくと良いでしょう。
花が咲いている期間の特別なケア
胡蝶蘭の美しい花が咲いている期間は、育てる上で最も喜びを感じる時ではないでしょうか。
この素晴らしい花をできるだけ長く楽しむためには、開花期ならではの特別なケアと注意点があります。
まず、水やりに関しては、基本的な考え方は花が咲いていない時期と変わりません。
つまり、「植え込み材が乾いたら与える」という原則を守ります。
ただし、開花中は株がエネルギーを消費しているため、水切れを起こさないように注意は必要です。
植え込み材の乾燥具合はこまめにチェックしましょう。
開花期に最も注意したいのは、水やりや霧吹きの際に、花に直接水をかけないことです。
胡蝶蘭の花びらは非常にデリケートで、水滴が付着するとシミになったり、そこから傷んでしまったりする原因になります。
水やりは株元に静かに注ぎ、霧吹きで葉水を行う際も、花に水がかからないよう細心の注意を払いましょう。
置き場所も、花を長持ちさせるための重要な要素です。
開花中は、できるだけ環境の変化が少ない、涼しい場所に置くのが理想です。
特に、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は、花が早く傷んでしまう原因になるため絶対に避けてください。
レースのカーテン越しなど、柔らかい光が当たる程度の明るさで、風通しの良い場所が最適です。
また、人が頻繁に通る場所やドアの近くなど、花に物が触れやすい場所も避けた方が良いでしょう。
肥料については、基本的に開花中は与える必要はありません。
ギフトとして販売されている胡蝶蘭は、開花に必要な養分をすでに蓄えている状態です。
この時期に肥料を与えると、かえって株に負担をかけてしまい、花の寿命を縮めることにもなりかねません。
植え替えも同様に、開花中は株に大きなストレスを与えるため、絶対に行わないでください。
植え替えは、すべての花が咲き終わった後の、春先の暖かい時期に行うのがセオリーです。
少しの気配りで、胡蝶蘭の花は1ヶ月から3ヶ月以上も美しく咲き続けてくれます。
基本的な水やりを続けつつ、花を優しく見守るような気持ちで管理してあげましょう。
正しい胡蝶蘭の水やりと霧吹きで長く楽しむために
これまで、胡蝶蘭の水やりと霧吹きに関する様々なポイントを解説してきました。
一見すると複雑に感じるかもしれませんが、基本となる考え方は非常にシンプルです。
それは、胡蝶蘭が本来どのような環境で育ってきた植物なのかを理解し、その生育環境に近づけてあげる、ということに尽きます。
胡蝶蘭の管理で最も多い失敗は、愛情のあまり水をやりすぎてしまうことです。
大切なのは、鉢の中の植え込み材を「湿らせる」ことと、「乾かす」ことのメリハリをつけることです。
このリズムが、根を健康に保ち、病気を防ぎます。
水やりのタイミングに迷ったら、まずは鉢を持ち上げて重さを感じてみてください。
そして、植え込み材を実際に指で触れてみましょう。
植物の状態を五感で感じ取ることが、上手に育てるための何よりの近道です。
季節の移り変わりや、お部屋の環境によって、最適な水やりの頻度は変化します。
マニュアル通りに「週に1回」と決めてしまうのではなく、胡蝶蘭の様子を日々観察し、その都度ベストな判断をしてあげることが求められます。
正しい胡蝶蘭の水やりと霧吹きをマスターすれば、株は何年にもわたって生き続け、毎年美しい花を咲かせてくれるようになります。
一つの花が終わっても、それは終わりではなく、次の開花へのスタートです。
この記事でご紹介した知識が、皆様の胡蝶蘭との素晴らしい関係を築くための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
本日のまとめ
- 胡蝶蘭の水やりは植え込み材が完全に乾いてからが基本
- 水のやりすぎは根腐れの最大の原因になる
- 水やりのタイミングは午前中が鉄則
- 季節によって水やりの頻度を調整することが重要
- 夏は乾燥しやすいため頻度を上げ冬は休眠期のため控える
- 霧吹きによる葉水は湿度保持と害虫予防に効果的
- 葉水は花や株の根元（成長点）にかけないよう注意する
- 受け皿に溜まった水は必ず毎回捨てること
- エアコンの風が直接当たる場所は避ける
- 最適な生育温度は18℃から25℃程度
- 冬場は最低でも10℃以上を保つ防寒対策が必要
- 水苔は保水性が高くバークは乾きやすい特性を理解する
- 開花中は花に水をかけず涼しい場所で管理する
- 開花中の肥料や植え替えは株の負担になるため行わない
- 乾かし気味の管理を心がけるのが失敗しないコツ
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参考サイト
プロが教える胡蝶蘭の育て方 – loveorchids ページ！
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プロが徹底解説！株が元気になる正しい《胡蝶蘭の水やり方法》 – AlonAlon
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